拉饂飩麺(らうどん)古市商店 | お役立ち情報 | 大成食品株式会社

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ラーメン店訪問記、卒業生のらーめん店 | 2008.06.01

拉饂飩麺(らうどん)古市商店

拉饂飩麺(らうどん)古市商店
岡山県倉敷市
JR山陽本線 倉敷駅

 

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※この情報は取材当時のものです。メニューや営業時間は変更となっている場合がございますので、あらかじめご了承ください。
拉饂飩麺(らうどん)古市商店
☆主なメニュー

 

つけらうどん 680円
特製つけらうどん 850円
   
釜揚げつけらうどん 680円
特製釜揚げつけらう
どん
850円
   
汁らうどん 680円
特製汁らうどん 850円
   
◆トッピング  
半熟玉子、チャー
シュー
各100円
キムチ 150円
住所:岡山県倉敷市阿知2丁目1-8
    JR山陽本線倉敷駅から徒歩約1分
    天満屋倉敷店の向かい
電話:086-425-3200
営業時間:11:30~21:00
       ☆ただしスープが終了し次第、閉店。
定休日:毎週 月曜日・木曜日

 

※「鳥居式らーめん塾」4期生の古市さんが今年2月に開店!
倉敷名物ぶっかけうどんを進化/深化させたいという情熱から誕生した「拉饂飩麺」。
中国の麺文化の視察、研究と、「鳥居式らーめん塾」での学びが結実したメニューです。
お近くの方、またお仕事や観光で倉敷にお越しの方、ぜひご賞味ください!

老舗繁盛うどん店主が新しい麺料理を提案!「拉饂飩麺(らうどん) 古市商店」

梅雨の晴れ間の倉敷駅に降り立った隊長&小屋隊員。
目指すは、今年2月にオープンしたばかりの「拉饂飩麺(らうどん)古市商店」だ。

隊長「○ぶ(まるぶ)の看板が目立つねえ!(@O@)」

駅から陸橋で道路を渡ってほんの1、2分で到着。向かいは天満屋倉敷店というわかりやすい立地だ。
なにより目をひくのは、ビルの屋上に燦然と輝く「○ぶ」マーク! 
「ぶ」は、ぶっかけうどんのぶ、だ。
「拉饂飩麺(らうどん) 古市商店」オーナーの古市了一さん(49)は、「鳥居式らーめん塾」第4期卒業生。地元倉敷市のうどんの製造販売会社「株式会社 ふるいち」の代表取締役だ。

☆「ぶっかけ亭本舗 ふるいち」のURL
  http://www.marubu.com/

小屋「ここ倉敷でうどんといえば、『ふるいち』のぶっかけうどんを指しますからね。
小麦、水、塩にこだわって作ったコシのあるうどんに、天然だしを贅沢につかっただしをあわせたぶっかけうどん。安くてボリュームがあって、癖になるおいしさ!(^Q^)。あの煮干しがきいた、ちょっと甘口のだしが魅力なんですね~
昭和23年創業の老舗で、倉敷駅周辺や市内、岡山県総社市、高松や高知…計14店舗出しているそうです。
私も倉敷出張のたびにぶっかけうどんを食べていますが、いつ入店しても繁盛してますね。
親、子、孫……と地元のみなさんのソウルフード的存在になっている感じですよ。
平成18年に倉敷市からは『倉敷ブランド』特産品に認定されたんですよ(^^)」

隊長「思い出すなあ(^^)。『鳥居式らーめん塾』第4期入塾式のスピーチを。
たしか、2006年の5月20日だったよね。

――社長として、社員たちの生活を守り,将来への希望を与える責任がある。伝統を守るだけでなく、新しい業態としてらーめん店に挑戦して、さらなる飛躍を目指したい……。

入塾動機を熱く語っていた古市さんに、同じ経営者として共感し、いたく刺激を受けたのを覚えているよ。
塾の講義をグイグイリードしてくれて、毎回、塾の講義が終わると別の場所で反省会、勉強会を開いていたよね」
小屋「勉強熱心な方ですからね(^^) 
うち(福島鰹株式会社)の工場視察にもいらしてくださいました。
うどん用の粉の視察にオーストラリアへ、とか、全社員と家族を連れて韓国に研修に出かけた、なんて話も伺ってます(^^; 研修のスケールが大きいですね♪」 
隊長「本店ビルの1、2階をぶっかけうどんの店から拉饂飩麺の店にしたそうだよ。古市さんの『拉饂飩麺』への熱の入れようが伺えるね(^^)」
小屋「らーめんではなく拉饂飩麺の店としたところがユニークですよね。いったいどんな麺だろう♪とワクワクします(^^)/"」

つけ、汁、釜あげの定番3品を試食!「拉饂飩麺」のお味はいかに!

レンガ色の本店ビルの1、2階がお店になっていた。
「らうどん」と、うどんの麺をイメージさせる躍動感あふれる文字が描かれた白地ののれんが目をひいた。
店頭のガラスケース内には、商品サンプルがずらり。
さらに、入口そばにはこんな解説が!

  うどん屋が創った新しい麺 
     らうどん
 
  ご賞味ください!
  らーめん? うどん? 
  いいえ「らうどん」です。

  スープはうどんの定番、利尻昆布、
  さば節、鰹節、煮干し、
  ウルメ等々の魚介、そしてトリと
  トンコツをじっくり煮出しました。
  麺はうどん用小麦、挽きぐるみ小麦で
  個性一杯に仕上がっています。
  名付けて「拉饂飩」と書いて
  「らうどん」と読みます。
  動物スープの中に、ガツンと香る新しい
  「和」の味をどうぞおたのしみください。

                古市商店

隊長「らーめんでもうどんでもない新しい麺だと、外装でしっかり強調しているね(^^)」
夕方早めの時間ながら、お店のなかは6分の入り。
さっそくこちらのお店の定番3品を注文した。

★釜上つけらうどん (680円)

: 古市商店特製拉饂飩麺 挽きぐるみ小麦粉をブレンドしたうどん用粉をアルカリ度の高い高梁川の名水とミネラル豊富な海水塩、かんすいを加えて練った麺。
極太ストレートタイプ。
ゆで上げた麺とゆで汁とともに丼へ。
: メンマ、チャーシュー、ナルトは別皿。つけ汁内に青ネギ
つけ汁: 鶏と豚骨、利尻昆布、さば節、鰹節、煮干し、ウルメ等を用いた濃厚魚介系スープに特製醤油ダレ、香味油、甘酢、一味等で調味。

★つけらうどん (680円)

具、つけ汁: 釜上と共通。具を盛った小皿は、麺の器へ。
: 釜上げと同じ麺を冷水でしめて、食べやすく3玉にわけて盛りつける。麺の上に刻みのり。

★汁らうどん (680円)

: 生地は共通。やや平たい中太のストレート麺。
: つけらうどんと共通。
スープ: 濃厚魚介系スープ+和だしのダブルスープ
タレ: 特製醤油ダレ
オイル: 特製香味油

<感想>

隊長 「麺がとてもおいしい! らーめんよりは少し柔らかめで、全粒粉(挽きぐるみ)がきいている! 
何パーセント入ってるんだろう、と気になっちゃうよ。麺の風味、食感ともよかったですね。
特に釜上つけらうどんは、温かい麺のソフトで滑らかな、ぬめるような舌ざわりが魅力。
なるほど、これが<らうどん>か!(*Q*)という驚き、喜びの発見がある感じ。インパクトがあるメニューだよね」

小屋 「汁らうどんをいただきました。
らーめんスープにうどんを入れた、みたいな発想じゃないんですね! スープも麺も、新しい感じです。特に麺の食感、喉越し、弾力……従来のらーめんの定義とは違う麺。やや饂飩よりの、だけど饂飩でもない。新鮮な味わいが光ってました!」

隊長 「つけ汁のほうは鶏の白湯に魚介系素材を加えた濃厚魚介系だよね。甘酢がきいたうまみ、こく、風味あるスープに、独特の麺がうまくマッチしていました。
中国に麺視察に出向いた研究熱心な古市さんが、自信をもって出すだけのことはある、さすがの相性ですね(^^)」

小屋 「つけ汁は岡山県倉敷市では初めての系統の味わい、なのでは? 濃厚魚介系で勝負するお店は関西でもまだ少数ですからね。地元の方にとっては○ぶ といえばぶっかけうどん、だから、この汁の味はインパクト大でしょう(^^)。魚介の香り、旨味は、贅沢にきかせていますね」

隊長 「高濃度を競いあうような勢いの関東の感覚からすると、スープの濃度は、やや控えめですね。これは地元の嗜好をふまえての配慮なんでしょう。ソフトでまろやかな旨味、こくみが出ています。病み付きになる感じもいいですね。」

小屋 「どれも古市さんの研究熱心さ、味づくりのセンスのよさが伺えるメニューでした。ごちそうさまでした!」

熱血オーナーの語る拉饂飩麺誕生秘話

食べある記隊に新鮮な驚きを与えた新メニュー「拉饂飩麺」について、オーナーの古市さんにお話を伺った。

古市「倉敷名物として伝統のあるぶっかけうどんを進化させたい、深く掘り下げたい、という数年来の思いから誕生したのが拉饂飩麺です。
コンセプトとして、地元・倉敷のものを使おうというのがひとつ。
そして、『ぶっかけうどんのふるいち』が創る新メニューなのだから、あくまでもうどん側から派生、発展した形でなければ、という思いがあったんですね。
だから、単にらーめんスープにうどんが入っているような、既存のものを合体させるだけのメニューには絶対したくなかったんです(^^)」

そんな強い決意のもと、ぶっかけうどん進化(深化)系メニュー確立にむけて、精力的に視察、研修を重ねた。多忙な仕事の合間をぬって、中国はじめ海外へもたびたび視察に出かけていたそうだ。

小屋「そんなころ、運命の出会いが!(^^)♪」
古市「そうそう♪(^^)」

ぶっかけうどんのだしに使う昆布、節もの、椎茸等は、福島鰹から仕入れていた。
あるとき福島鰹の営業担当Uさんから、
「東京にやみつきになるらーめん屋があるんです(^Q^)」
と聞き、興味津々。さっそく上京してそのらーめん店を訪ねた。

<やみつきになるらーめん店>とは、
大成食品のアンテナショップ「麺彩房 中野本店」。
濃厚魚介のインパクトある美味しさに衝撃を受けたという。

古市「地元にはこんな味、ありませんからね。ぜひ、これをうちの店でやりたい、と思ったときに『鳥居式らーめん塾』の話を聞き、即申し込みました(^^)」

それが、2006年のはじめ。
5月~7月に開講された「鳥居式らーめん塾」第4期には、新幹線で全11回の日程を通い抜いた。
鳥居塾長や味創り講師の福井隊長代理らにノート片手に質問し。
実習では率先して作業に取り組み。
空き時間には都内の繁盛店を精力的に食べ歩き……。
講義終了後は講師や他の塾生たちと別の会場に移動して、目指すらーめんのイメージを、開業の夢を、深夜まで熱く語り合った。
3ヶ月にわたる塾生としての日々を濃密に学び、楽しんだ古市さんなのだった。

隊長「今思えば、『鳥居式らーめん塾』の卒業らーめんで古市さんの班が出した冷やしつけめんは、今のつけらうどんにかなり似ていましたね(^^) 涙、涙の卒業式の感動も、記憶に新しいですよ」

2007年5月には、「中国全省を食べ歩いた男」坂本一敏先生とともに、中国新彊ウイグル自治区の吐魯番(トルファン)、敦煌、烏魯木斉(ウルムチ)などの麺のシルクロードを巡った。

☆坂本先生についてはこちら! 
https://tokyo-ramen.co.jp/tabearuki/tokubetu3.html

古市「中国における、地産地消の何千年にもおよぶ麺文化の深さ、多様さに圧倒されましたね。
多彩な麺のスタイルを目の当たりにして、時代に応じて変化させることが味を守ることだという実感を得ました。

現地では、地元の水(中国の水はアルカリ性が強いため、かんすい同様に作用する)で小麦粉を練って麺をつくっていたことにとても心ひかれましたね。
地元を流れる高梁川の上流一帯はカルスト地形。鍾乳洞がたくさんあるんですよ。
アルカリ性が高い高梁川の水をうどん粉に混ぜて麺をつくろう、これなら中国の麺づくりに通じる、と思ったんです(^^)」

この視察旅行から戻るやいなや、拉饂飩麺の試作に没頭!

古市「スープは濃厚魚介系ですが、地元の嗜好にあわせ、やや控えめの濃度にしています。
麺は、高梁川の水だけではやはりアルカリ度が足りないため、かんすいを少し加えました。かんすいを入れると、麺のインパクトが違ってきますね(^^)。かんすいの匂いも和の味とあっていい感じなんです♪
釜上つけらうどんは、寒いころに開店するので、つけらうどんではつけ汁が冷えすぎてしまう。どうしたら最後までおいしく召し上がっていただけるだろうかという発想から誕生したメニューです。これは我ながら自信作!(^Q^)」

試作の経過を熱っぽく、そして楽しそうに語る古市さん。
実は、1年で1000玉以上試作、試食したために、80キロにまで体重が増加。
塩分のとり過ぎでむくみまで出てしまったとか。

隊長「麺って結構塩分含んでいるからね(^^;」
小屋「せ、1000玉とは……これまたスケール大きいですね(@o@;」

古市「さすがにこれではいけないと、最近、ダイエットを始めたんです(^^;。
3ヶ月で10キロ減を目標に、もう3キロ減らしました。
これも、大切な学びですよね。
食べて幸せを感じるものを創ろう。
お客様が食べてよかったと感じてくださるものを提供したい。
……と、切実に思うようになりました。本当においしいものだと少量でも満足できるんですよね。ダイエットしている今だからこそ、余計にそう思いますよ(^^)」

失敗をおそれず、行動を起こすことが大事。
失敗からも学ぶことも多いと語る古市さん。
古市「何年後に、どんな姿でいたいのか。いつも考えています。
目標と現実を比べたときに、ギャップがあったら、それをどう解決するか戦略をたてればいい。その目標に向かって日々チャレンジしていくこと。そのプロセスに熱くなれたとき、心震えるほど、嬉しいと感じますね(^^)」

お客様とともに、拉饂飩麺も、そして株式会社も「ふるいち」も進化/深化 をとげていくだろう。
古市さんの熱い挑戦はこれからも続く。

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