第12期卒業らーめん試食会レポート | お役立ち情報 | 大成食品株式会社

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鳥居式らーめん塾、中野本社 | 2010.09.30

第12期卒業らーめん試食会レポート

第12期卒業らーめん試食会レポート

回□  真摯な姿勢が光った12期生  □回
     

 

9月19日は「第12期鳥居式らーめん塾」卒業らーめん試食会/卒業式(^^)。 教室は早朝から塾生と講師、スタッフ陣、卒業生らで大賑わいだ。

大阪からは石井さん@11期生、岐阜からは松波さん@11期生父子が駆けつけ てくれた。

鳥居塾長「今期は8名の大所帯、最年長と最年少の年の差が40歳もあったね (^^)。未経験者が多かったけど全員完走できて本当に良かったよ!」

福井講師「真摯な学ぶ姿勢、研究熱心さが光ってましたね。昨日は朝7時から夜 8時半まで、今朝も6時から頑張ってますよ(^^)」

今回も福井講師は、卒業制作にこんなルールを設定していた。

まずは営業用にすぐ使えるレシピをつくること。

らーめんは売価税込700円、つけ麺は麺300グラムの場合、800円。

200グラムで750円で設定。

原価率はいずれも35%以下というもの。

原価計算は1円刻み、トッピングや麺 はグラム単位の攻防になる。

 

寺脇&松田「C班、スープ炊き上がりました!(^^)b(^^)/"」

荻原@「鳥居式らーめん塾」事務局長「麺、何をあわせますか? 試したいタイ プがあれば遠慮なく言ってください。なにしろ麺は売るほどあるから♪(^o^)」

 

遠方から駆けつける塾生のために連日5時半出社が続いた荻原事務局長。

通常業 務と並行して、塾生たちのために何度でも違う麺をとりに工場や冷蔵庫へ走る姿 に頭が下がる。

鳥居「12期はつけ麺2種類と清湯の塩らーめんか。試食が楽しみだな(^^)」

山内「今回のレシピも、塾生たちが考えたんですよ。卒業らーめんのレシピを福 井先生が添削しなくなって久しいですが、回を重ねるごとにレベルアップしてい るような(@m@)」

福井「実習内容は常に進化させていますが……。放課後に集まって話し合ったり、 平日に自宅で講義の復習や試作をしたり……。といった自習時間が塾生の力をの ばすんでしょう(^^)」

仕込み中の塾生たちに目を細める。

 

 

回□  いよいよプレゼン開始! □回

 

午後1時。ラーメン評論家の方々をお招きしての卒業らーめん試食会が始まった。

発表順はC班、B班、A班の順に。 毎回プロの食べ手ならではの厳しい批評をいただくが、果たして今回は(@@;)?

 

 

C班(寺脇、松田@中野区) 清湯塩らーめん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寺脇@荒川区「客層は老若男女、立地はロードサイド、住宅街を想定しています。

濃度5.5の清湯スープをダブルスープ仕立てにした塩らーめんです。2種の香 味油で味を引き締めました。

原価がやや割高になったため、味玉は半分です(^^; 

12時間炊きで原価率は 33.5%の予定でしたが、スープが19リットルとれたので、33%で収まり ました」

トッピングは塩味、醤油味2種類のチャーシュー。メンマ、塩味玉、貝割れ菜、 ねぎ、糸唐辛子。 香味油作りでできた揚げネギ、揚げニンニク。

26番の低加水ストレートタイプの細麺をあわせた。

【講評】

ラーメン評論家「ラーメンは五感で食べるもの。見た目、香りがとても良く、食 べる前からいいラーメンだという予感があってさらに美味く感じました。素晴ら しかった!

立地、客層の幅広さは自信の表れでしょう。確かに多くの人に受け 入れられそうなラーメンです! ただオペレーションが……(^^;。

実際のお 店は、一杯ずつおいしく出す、では通りません。この会は営業の試金石なのでそ の点が残念。1日200杯、このレベルを出せるなら、もう今すぐ店を出せ! と言いたいですね(^^)」

 

ラーメン王「広く一般にうける塩らーめん、というコンセプト、想いがしっかり 出ていました。

具の構成には今の流行を勉強していていいチョイスだと感じまし た。盛りつけはさらにキレイにできたはず。ちょっともったいなかったな。

チャ ーシューもせっかく2種類載せているのに見た目、味の差がわかりづらかったの は惜しい。

味は良かったが重層的に強かったので、さっぱりさせる何かが欲しい。 ロードサイド店ならデザートをつけてもいいのでは?(^o^)」

 

ゲスト講師「いわゆる神奈川端麗系ですが、ちゃんと個性が出ています。

今すぐ お店に並んでいても不思議ではないレベル。ただ味が重層的過ぎる。美味いが、 美味すぎて疲れるんです(^^; 

何かサッパリ感を出すもの、たとえば丼の底 にゆずのかけらを沈ませておくとか。

店で出すなら卓上のコショウなどで救われ そうです。

ただ、このあたりはいつでも修正可能。ハイレベルな塩ラーメンを堪 能しました、ごちそうさま(^人^)」

 

 

 

 

B班(小谷、加藤@港区、吉田@「麺彩房」

 

豚骨つけ麺煮干し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小谷@名古屋市「名古屋郊外で昭和をイメージしたつけ麺専門店を開業し、そこ で出す商品のイメージで作ったレシピです。

豚骨スープに魚介をいれた一本炊き が多いなか、肉系、魚介系に分けてスープを炊き、ダブルスープ製法にこだわり ました。

魚介はほぼ煮干し一本、節系は一切使っていません。

スープは10時間 仕上げ。10リットル仕上げの予定が9リットルに。

原価は麺200グラムで売 価税込750円とした場合34%になりました」

 

2種のチャーシュー、たまねぎ、メンマ、オリジナルブレンドの煮干し粉、のり をつけ汁へ。

麺は試行錯誤の末、14番極太多加水ストレート麺に。

 

【講評】

ラーメン評論家「実はここに来る前に1軒寄ってきましたが、腹いっぱいでもす るっと食べられました。

地味ながら、近所にあれば頻繁に食べに行きたい感じの 味ですね。欠点を削ぎ落としてうまくまとめあげています。いい味ですが、やや 優等生すぎるかな。

今後つけ麺メインの店を考えているなら麺にもっとインパク ト、特徴があったほうがいいでしょう(^^)」

 

ラーメン王「スープの味付け、辛味、煮干しの粉……粉っぽくならずほどよいし、 つけだれには違いがはっきりわかる2種類のチャーシューが入っていた。

味付け のバランスにセンスを感じました。これは職人として重要です。

ただ見た目が控 えめすぎるかな。もし麺が300グラム、売価800円だったら高く感じるかも (^^;。

もう一つ何か(お客様に価格を)納得させる武器を入れたほうがいい ですね」

 

ゲスト講師「よくまとまっていますね。魚介だしはほぼ煮干しのみ、という点で 個性はちゃんと出ていました。ただ、強い、弱いがあるだけです。

ただ、個性は 立地により諸刃です。ガツンとした味はたまにならいいがしょっちゅうは食べら れない。

周囲に人口が多く、2ヶ月に1度の客を1万人集められるならそれでも いい。でも地方の住宅街、高齢者が多い土地ではリピーターをつかまなければ!  個性、インパクトが邪魔になるんです。

あくまで立地、顧客層にあわせて味を考え ましょう。

ここで言われたことが答えとは限らない。自分で考 えてみてくださいね(^^)」

 

鈴木「見て(^^)b 皆さん、たちまち完食よ。スープ割りのリクエストまで!」

山内「C班、B班とも、お三方揃って好評だなんて、開講以来初めてかも!?(^m;)」

 

 

 

最後に発表するのは若手3人組のA班。
なんと手作りのユニフォーム姿で登場! 早朝にこっそり別室で作成していたら
しい。


「Aチームの広村です(^^)/"」
「松本ですp(^o^)q」
「新井です(^^;)ゞ」


ラーメン王「『三人揃って~♪』って言い出しそう(^o^)"」
一同 「(笑)」
澤村@事業計画担当講師「ほぉ、ちゃんとロゴもあるし、店名、キャッチフレー
ズもなかなかおもしろい(^^)b」
荻原「あの店名、某有名店の……(^^;; あ、ちゃんと1文字変えてた」


青木@デザイン担当講師「……最高ッ!(TmT)」
11期から講義を担当しはじめた青木講師。前回の反省をふまえ、今回から塾生
たちに仮称「鳥居亭」のロゴデザインを書かせていた。A班のTシャツの背中に
はその作品が再現されていた。ラーメンTシャツブランド「ラ部」を立ち上げた
青木講師の話に触発されたのだろう(^^)。


澤村「いいよね、こういうのって! 私も13期の講義では何か形に残るものを
塾生に作ってもらおう(^o^)」
若い3人のプレゼンは講師陣にも良い刺激をもたらしたよう。


広村@愛知県安城市「会社員、学生、男女問わず満足していただける一杯が僕ら
のコンセプトです。
卒業らーめん制作にあたり自分たちで一杯を創る可能性と難しさを感じました。
塾のない日も3人で電話、メールをやりとりしアイデアを出し合い、思い出もス
ープに負けないくらい濃厚です(^^)。
この二ヶ月間、『鳥居式らーめん塾』でたくさんのこと学ばせていただき、本当
にありがとうございました。
では、本日限りではございますが、『なんちゃッ亭』、オープンさせていただき
ますっ!(^^)」
一礼するなり厨房に走り去る。


鳥居「大事なこと、何も話してないよ……(^^;」
一同「(爆笑)」


厨房からは「麺入りました!」「はいよー!」と3人のかけ声が聞こえる。


加藤「おーい、声出てないぞ、緊張してるのか~(^^)/"」
最年長の加藤さんの励ましに答える3人。他の班のメンバーも復唱の輪に加わっ
ていく……。

 


A班(松本@台東区、広村、新井@名古屋市中村区)


鶏白湯塩つけ麺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原価率260円 麺200gで原価率34.7%に。

高濃度のスープは仕上がりが6.3リットルあり、原価低下に貢献。

特製塩ダレ で味付け。 麺は試行錯誤の末、10番平打ストレートタイプに。

トッピングの鶏チャーシューは蒸した胸肉、ももロール、ももローストの3種類 レタス、太メンマ、なると、ねぎ、貝割れ菜。味合わせ段階で却下したトッピン グ多数!

 

【講評】

ゲスト講師「BがオーソドックスならAは華やかな印象のつけ麺。ロードサイド でもうお商品化できると思う。

一番感心したのはセオリーを守るだけでなく、自 分で考えて設定した点。今、つけ麺の具材は関東はつけ汁に入れることが多いの に、Aは具材を麺の上に並べ、それぞれの具の持ち味をいかした。ローストした チャーシューはつけ汁に入れて味のアクセントにしている。それらをすべて考え ていたならすごい。偶然ならそれもスゴイ!(笑)。 

揃いのTシャツを作って『開店します』というあの空気づくりも貴重な体験です。 五感で食べる、という意味で、お店の空気はとても大事だけど、教えられないも の。この場でやってみせたことは皆の勉強になったはず。和みました!(^^)」

 

ラーメン王「シャツとか威勢の良さとか、他の人は子供だましと思ったかもしれ ませんが、私には好印象でした。

雰囲気を創れるのはとても重要。真剣にやるべ き卒業制作であえてやったのには感心しました。

実際のつけ麺も指摘する点がな いくらい良かったです。個人的には1番好き!

見た目にも違うなと思わせる、 わくわくさせるところにセンスと若さを感じました。満足です!(^^)」

 

ラーメン評論家「五感で食べる、耳で食べる、が強調されていました。

雰囲気が 良くて、多少ラーメンがダメでもいい店だと思われるとリピートの原因になるん ですが(笑)、このつけ麺はおいしくて良かったです。

ただ、基本メニューの形 としては賑やかすぎて問題。これじゃ、お祭りラーメンだ。チャーシューが3種 あったら、特製つけ麺に匹敵します。シンプルにスープで勝負できるつけ麺だっ たと思います」

 

 

 

回□ 卒業らーめんコンペの結果は?(^^) □回   

 

さて気になるコンペの結果は……(@m@)(@人@)

鳥居「どれも甲乙つけがたかったけど……つけ麺は麺の選び方がもう一歩だった かな。C班の清湯塩らーめんは、麺とスープのバランスもよく、今までで1等賞 だと思う。A、Bのメンバーにはらーめん店で働いている人がいたけど、Cは二 人とも未経験。その二人が短期間でこのレベルまできたことが素晴らしい! (^^)」 とのこと。

A班B班「ああ~……(-.-;)(;m;)(~_~)」

ラーメン評論家「12期にして最大人数。3つの傑作が誕生して実に素晴らしか った。

ただ、繁盛店を創るという『鳥居式らーめん塾』のテーマはこれで終わり じゃない。

常に目標を掲げ努力し続けないと繁盛店主になる夢は実現できません。

そこで!(^^)」

12期生「そこでっ?(☆☆)」

ラーメン評論家「今、鳥居塾長が副理事長をされている日本ラーメン協会では、 バトプリというラーメン対決企画をやっています。 YAHOO!でも勝ち抜きバトルをしているし、優勝者は立川のラーメンスクエ アに出店できるラーメントライアウトも控えています。ぜひチャレンジしてくだ さい(^^)」

2期生の生田さん@ラーメン凪、羽賀さん@でれ助、9期生の荒井さん@麺や木 蓮、住田さん@札幌ラーメンエイト、江畑さんらもこうしたラーメンコンペ、イ ベントに挑戦していた。どうやら12期生からもチャレンジャーが出そうな勢いだ(^^)。

 

 

回□ 12期生よ、目指せ繁盛店主!(^^)/"  □回  

 

 

試食会が終るといよいよ卒業式! 塾長が8名に卒業証書を授与していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳥居「今日は皆さんが繁盛店主となるために新たなスタートを切った日。

さっき から表が賑やかなのは、地元の神社のお祭りだからなんですよ。

らーめんの神様 って私はいると信じてるんだけど(^^)、

神様もきっと12期生を祝福してい ると思いますよ。

飲食業で一番重要なのは心です。

店は人なり、技術とともに心も磨いてください。

開業した皆さんと笑顔で再会できる日を楽しみにしています。

本当におめでとう! (^^)」

 

 

12期生の今後は……

1日限りのつけ麺店の営業を終えたA班。

松本さんはご実家の「浅草名代らーめん 与ろゐ屋」での仕事に

邁進しつつ、味 創りの腕を磨くそう。

広村さんは愛知県安城市での養鶏場のお仕事の傍ら、食べ歩き、味創りの勉強を 重ね、

開業準備を進めるとか。

新井さん@名古屋市中村区は10月から1期生中村さんのお店で修業し、1年後 の開業

を目指すとのこと。

 

豚骨つけ麺を巧みにまとめたB班。 

名古屋市の小谷さん。「自分の目標をきめ、一つずつ確認、確立しながら進みた い。

近年中には開業したい」とのこと。

吉田さんは「麺彩房中野本店」の厨房に戻り、塾での学びをいかしてお店をさら

に盛り上げていくとか。塾生と講師陣との橋渡し役、お疲れ様でした(^^)/"

加藤さんは再来年までには開業し、チェーン展開したいと意気盛ん。

「当初は見も知らずの赤の他人だった12期生が、僅か2ヶ月で酒を飲み交わし、

熱い将来を語り合える大切な友人に代わっていった。

見事なまでの物語、素晴らしかな人生、素晴らしい出逢い!

改めて鳥居塾長及び講師スタッフの皆さんにお礼申し上げます」

という言葉に他の塾生も頷く。

 

清湯塩らーめんのC班。

荒川区在住の寺脇さんも開業準備を開始。

「2ヶ月前はインスタントラーメンくらいしかできなかったのに、

講師の皆さん のおかげでここまできました。

今後、一日も早くいい報告ができるようがんばり ます(^^)/」

中野区在住の松田さん。

開業時期、場所は都内、ご自身の実家がある静岡、奥様 の実家がある長崎……

どこになるかは未定ながら、一つ決まったことがあるとか。 それは……

「来年1月に父親になります。どうやら息子らしいです。

将来は開業した店を、 息子が継ぎたいと思うような店にしていきたいです」

90余年の歴史をもつ大成食品を守り、やがて次世代に伝えていく塾長も。

30年続くお店にしたい……という想いで数々のお店の支援を続けてきた福井講 師にも……。

松田さんの宣言が心に響いたよう。ひときわ高らかに拍手を送って いた。

場内のあちこちからも「頑張れ!」という声が。

松田さんはもちろん、12期生 全員へのエールだ。

 

☆12期生の今後の活躍にご期待ください。

<おわり>

 

 

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