らー麺 夢あかり
東京都文京区 東京メトロ丸ノ内線新大塚駅
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※この情報は取材当時のものです。メニューや営業時間は変更となっている場合がございますので、あらかじめご了承ください。 | ||||||||||||||||||||
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☆主なメニュー
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住所:東京都文京区大塚5-9-3 ◆東京メトロ丸ノ内線新大塚駅 徒歩0分。 地下鉄出口をあがってすぐ。 三菱東京UFJ銀行の赤いATMの隣。 電話:03-6319-8045 営業時間:11:30-15:00 ただし、スープが切れ次第閉店 定休日:日曜・祝日 席数:カウンター10席 公式サイト:http://www.yumeakari.com |
「鳥居式らーめん塾」での学びを夫婦で共有 家族一丸となって、らーめん店の夢を追う!
店主は、今年3月に「鳥居式らーめん塾 第五期」を卒業したばかりの尾田光浩さん(42)。
8月6日にプレオープンした直後から、ネット上では好意的な批評が掲載されていた。
「激戦区池袋に近いせい? 大塚駅から新大塚駅に向かう通りは、らーめん店が多いですねえ(@o@)」
「そんな中で、未経験で開業してすぐ好評を博してるなんて、すばらしいことよね(^^)」
尾田さんは新大塚駅前で布団屋を経営していた。
「今の時代に駅前で布団屋をやっても……」
と、「鳥居式らーめん塾」の門を叩いた。
らーめんの食べ歩きを長年続け、学生時代はファミレス等の厨房で働いたこともある。奥様が看護士ということもあって、家事分担をしていたため料理の腕もばっちりの尾田さん。塾の厨房実習、卒業らーめん制作では、未経験者中心で構成されたA班のリーダーとして活躍していた。
「尾田さんは、5期生一のPC通で、スマイル王だったよね~(^^)」
「そうそう。塾生としての名刺をいちはやく手作りして配っていたし、デジカメで実習の経過を細々と記録していたわね。どんなときも、落ち着いた笑顔と柔らかい物腰の方だったわ♪(^o^)」
等々、思い出話に花が咲く。
地下鉄新大塚駅から地上に出ると、春日通りにかかる横断歩道のそばに、紅白ののぼりがあった。少し視線をあげると白い看板に「らー麺 夢あかり」の文字が!
「地下鉄の出口から上がってすぐね! 隣は三菱東京UFJ銀行の赤いATMだし、迷いようがない場所!(^^)」
「交通量も多いし、オフィス街で病院や学校も近いし、好立地だわ~(@@)」
さっそくお店へGO!
注文ごとに1杯ずつ手鍋で仕上げるらーめんに期待が高まる!
閉店時間を多少過ぎていたが、カウンターには、おいしそうにラーメンをすするお客様の姿が。
「いらっしゃいませ(^^)(^^)」
穏やかな笑顔で、尾田さんご夫妻が迎えて下さった。
お二人は、いかにも仲睦じい感じ!
店内は明るくシンプルで、くつろげる雰囲気だ。
ココアブラウンのカウンターはL字型。背もたれがついて、高級感がある木製のスツールが10脚並ぶ。
アイボリーの壁紙は、ネコヤナギ風の白い木の柄がさりげなく描かれていた。清潔感に、ほんのりと可憐なニュアンスが添えられた内装は、「夢あかり」というファンタジックな店名にぴったり!
「かわいいお店ですね~(^^)」
「ありがとうございます(^^ゞ」
黒字に白く店名ロゴが染め抜かれたTシャツ姿の尾田さん。はにかんだような笑顔はあいかわらずだ。
店舗の設計施工は、「鳥居式らーめん塾」講師である西塔さんの経営する(株)オービスに依頼したそうだ。
壁紙等の選択には、奥様の知世さんやお嬢さんの意見もかなり入っているとか。
「たしか、お子さんの名前を組み合わせて店名にされたんですよね?"φ(^^)」
「はい、上が夢織(ゆめり)で3歳。下が1歳で彩織(あかり)といいます。彩織は漢字のままでは読みづらいから、ひらがなにしました(^o^)」
と、とろけそうに甘~いパパの顔!
そんな尾田さんにあたたかい視線を送りつつ、手はテキパキと動かしつづけている奥様の知世さん。
「娘もらーめんが大好きなんですよ。名前が店名に使われたことを、とても喜んでいます(^^)
『鳥居式らーめん塾』のころは、私も育児休暇中だったので、ベビーカーを押しながら、みんなで食べ歩いたんですよ(^^)」
「あのハードな繁盛店食べ歩きの宿題を、家族全員で!?(@o@)(@_@)」
思わず声をあげる食べある記隊!
ベビーカーを押し、3歳の夢織ちゃんの手をひいて……。小さな子をもつ人でなくてもその大変さは容易に想像できる。
尾田さん一家は、2ヶ月で数十軒の繁盛店、有名店を食べ歩き、チェックリストを記録していった。一番好きな味は全員一致で「麺彩房」だったが、
「(尾田さんが)麺彩房系のスープを仕込むのは長時間かかるし、コストもかさむし、色々大変だから、短時間で仕込めるタイプの醤油味にしようか、なんて弱気になったことがあったんです。
でもね、そのとき、私はこう言ったんです。
『自分の好きならーめんでないと、おいしく作れないよ?』って(^o^)」
知世さんのこの一言で、尾田さんは「らー麺 夢あかり」の味を、家族みんなの好きな「麺彩房」系に決定。
そして、知世さんも心を決めた。
――知世さんは病院を退職。長年情熱的に取り組んできたナースという仕事から、尾田さんとともに「らー麺 夢あかり」を育てる道へ転じたのだった。
「おおっ! まさに店主夫人の<覚悟>が創られた瞬間ですね!φ(@@)」
「奥様も、尾田さんの隣で塾の講義を受けてらしたみたいなご発言だわっ! すばらしいっ!!(^o^)」
尾田さんを通じて、「鳥居式らーめん塾」のメッセージがしっかりと知世さんに伝わっていたことに、感動を覚えた。
店主おすすめの「特製つけめん」 「特製ラーメン」をさっそく試食!
★特製つけめん (950円) 麺:大成食品の「麺彩房つけそば用特製麺」を使用。低かんすい、多加水の極太ストレートタイプ。中盛は麺300グラム。 |
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鈴 木 山 内 |
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★特製ラーメン (880円) 麺:大成食品の「麺彩房」らーめん用特製麺。多加水、中太ストレートタイプ。 |
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鈴 木 山 内 |
新大塚駅徒歩0分の布団屋さんが、「鳥居式らーめん塾」と運命の出会い!?
「開業前のご経歴を教えて下さいφ(^^)」
「高校を卒業したあと、はとバス専属で団体旅行の観光写真を撮影していたんですよ。
その後運送業に転じて、長年トラックドライバーとして働きました(^^)」
趣味はバイクのツーリング。休暇のたびに全国をめぐり、各地のらーめんを食べ歩いた。食べ歩きキャリアは20年以上のつわものだ。
北海道ツーリングで同じくツーリング中だった看護士の知世さんと出会ったそうだ。
「北海道で運命の出会いなんて、素敵っ~♪(@o@)(^o^)」
ツーリングとらーめんの食べ歩きが好きな尾田さん夫妻の生活は、2003年に激変する。
尾田さんのお父様が倒れ、急遽実家に戻ることになったのだ。尾田さんは仕事を辞め、家業である布団店を継ぎ、お父様の介護をすることに。
その後、長女・夢織(ゆめり)ちゃんが誕生。知世さんはすぐに看護士として職場復帰した。
「当時は、介護と家事、育児に追われて、布団屋の仕事は店番程度。売り上げ自体もたいしたことがない。もう布団の小売みたいな商売を駅前でやる時代ではないのは明白でした。
このままじゃいけない、転業しなくては!とは、ずっと思っていました」
だが、日々の忙しさに流され、なかなか動き出せなかった。
去年、次女・彩織(あかり)ちゃんが誕生して、決意が固まった。
「立地からいって、転業するなら飲食店がいい。それも僕ら夫婦が大好きならーめんで行こうと決めたんです!」
すぐに、独立開業のための情報収集を始めた。
学生時代にファミリーレストランやとんかつ専門店の厨房でアルバイトはしたことがあったし、家庭料理なら苦もなくこなせる。フランチャイズのラーメン店はどうか、とまず考えたが……
介護生活に加えて、3歳と1歳の娘を夫婦で育てながらのらーめん店経営となると、長時間営業や保育園が休みの日の営業は厳しい。
下の子が保育園を出るまでは、平日の昼だけ営業でいきたい。
だが、フランチャイズで開業した場合、到底こんな希望は通らない。
やりたい方向が決まったというのに、条件の面で思わぬ壁にぶち当たってしまった。そんな折、たまたま開いたラーメン店開業のガイドブックに「鳥居式らーめん塾」の広告が。
「これだ!」
旅先で運命の人を見いだした尾田さんならではの直感だった。
「鳥居式らーめん塾」の感想は「太っ腹!」の一語に尽きる!?
熱心に受講し、講師陣にも積極的に質問、相談をもちかけた。
毎回宿題に課される繁盛店の食べ歩きには、知世さんと子どもたちを連れて臨んだ。
このプロセスが、一家の絆を強め、「らー麺 夢あかり」の繁盛を家族全員の夢とする「覚悟創り」につながった。
「『鳥居式らーめん塾』の感想は一言でいえば、太っ腹だな!と(笑)。
なにしろ、『麺彩房』のレシピやオペレーションなど、そんなことまで公開していいの?と思うような講義、実習の連続で、驚きましたよ。
集客の講義も印象的でした。うちの立地からいって、人の流れをみて、店の存在を知らせたり、店内に導くための看板の工夫などを学べたのはよかったです。何しろ、布団屋のときはまったく考えつかないことばかりでしたから!」
3月末に塾を卒業すると、さっそく開業準備に着手した。
融資の申し込みや店舗設計の打ち合わせ等をしているうちに春が過ぎ、6月初めには布団店をたたんだ。6月15日から店舗工事が始まり、並行して「麺彩房」五反田店で修業開始。
7月20日からは工事を終えた新店の厨房でスープテストに入り、8月6日にはプレオープンへ……。
慌ただしいながらも順調に開業準備が進んだ。
「タイミングが良かったんですよ(^^)」
卒業時期と前後して、ちょうど直営店(『麺彩房 五反田店』)がオープンしたため、お店の立ち上げ~軌道にのるまでの様子を肌で感じることができた。なにより、塾で学んだことを間髪いれずに現場で実践できたことは、大きな収穫だったという。
スープ濃度はなんとBrix11.5! 高濃厚にして上品な味の秘密とは!?
ベースはおなじみの「麺彩房」系。麺は大成食品の「麺彩房」特製麺のつけそば用とらーめん用をそのまま使用。スープに用いる素材も「麺彩房」とほぼ同じだ。
「ただ、作り方はずいぶん違いますよ。なにしろあちらは企業が経営しているわけで、スタッフの拘束時間が決まっているでしょう? うちは、上が自宅ですから(^^)」
と、お店の天井を指差す。スープ炊きに時間をかけられるのが自宅兼店舗の強みなのだった。
「うちのスープは、2日がかりで仕込んでいます」
厨房の奥には、80リットルは入りそうな巨大な寸胴が鎮座していた。
初日は営業終了後、寸胴に豚骨、背骨、豚足にモミジを入れて水をはり、沸騰後6時間炊きあげ、火をとめる。
この間も余熱で着々と肉系の旨味は抽出されているとか。
翌朝7時に鶏ガラや香味野菜を入れて11時まで炊き、15時の営業後にうるめ、鯖、めじかといった節ものを入れて、2時間炊いて完成!
のべ加熱時間は11時間ほどだが、夜の余熱調理分だけ長く炊ける分、素材の旨味がしっかり抽出できる。つまり濃度が高くなるわけだ。
「夢あかり」のスープ濃度は、Brixがなんと11.5もある!(;@@)(@@;)
この濃厚魚介系スープをつけ麺にはそのまま使用。ラーメンには羅臼昆布、煮干し、うるめ、鯖、めじかで濃いめにとった和だしと1対1であわせる。
いずれも、注文が入るたびに知世さんが小鍋であたためていく。
「だしは魚介の香りがとばないように、その都度あたためているんです。スープがとても濃いから、焦げやすいのが難点ですね。仕上げはとても気を使う作業。
奥さんは本当によくやってくれてます(^^)」
と尾田さん。
傍らで片付け作業をしていた知世さんも、にっこり(^^)。
「そうか、こちらのラーメンがおいしいのは、お二人の愛がたっぷり入っているからなのね~♪ "\(*^^*)人(*^^*)/"」
深く納得する食べある記隊。
味を整えるタレは3種の醤油をベースに香味野菜等を加えたものに、チャーシューをつけこんで肉の旨味を加えた特製醤油ダレ。
つけ麺用の甘酢はザラメと穀物酢をあわせたオリジナル。スパイスは韓国産唐辛子と国産一味を少々。
香味油も豚、鶏の脂にエビを加えた自家製だ。
トッピングもすべて手作り。
メンマはあえて時間のかかる乾燥メンマを使用。水でしっかり戻して丁寧にみりんや醤油等で味付けし、たっぷりとのせていく。
「特に変わったことはしていません(^^)」
基本に忠実=手間ひまを惜しまない丁寧な仕事、が尾田さんのモットー。
チャーシューは豚肩ロースをショウガとともに圧力鍋で水煮してから、醤油ダレに漬け込んでできあがり。
「塾で、最初の実習のときに教わった作り方なんですよ。おいしかったし、スープの仕込みに関係なくいつでもチャーシューが作れるから、この方法にしました」
夫婦二人三脚で平日11時半~15時の営業に全力投球!
知世さんは5時前までに店の後始末一切をすませて保育園へお迎えへ行き、帰宅後は家事育児……。
夫婦二人三脚での営業ゆえに、夜と日曜日に店を開けることは現状ではやはり難しい。売上を考えると短時間営業は厳しいが、幸いにも「らー麺 夢あかり」は自宅兼店舗。駅前の好立地にして家賃がかからないメリットは最大の武器だ。
「『麺彩房』系のスープは高コストだし、まだスープ切れ閉店って経験したことないし……(^^;)。毎日、毎日、心配なことはいっぱいありますよ。
たとえば、これから冬になると風邪やインフルエンザが流行るでしょう? 子どもが病気になれば、保育園には行けないし、病院にも連れていかないとね。そうなると、お店を臨時休業せざるを得ないかもしれません。なにしろ、うちの奥さんには代わりがいないから!(^^;」
眉をよせる尾田さんに、知世さんが笑顔で声をかけた。
「大丈夫! 子どもたちが大きくなるまでの辛抱よ!(^^)」
「そうだね♪(^^)」
店内に明るい笑い声が満ちる。お二人につられて隊員たちも笑顔に!
「尾田さんの夢を教えて下さいφ(^^)」
「まずは、現状をふまえて、お昼営業だけで勝負できるお店になりたいです。
そして、私が生まれ育ったこの街で、ずっと長く愛されるお店でいたいですね。」
愛する家族の未来のために一念発起。布団屋さんかららーめん屋さんに転じた尾田さん。
尾田さんとともに笑顔で「夢あかり」を守り立てる知世さん。
パパの夢を応援するお嬢さんたち。
「夢あかり」のらーめんとつけ麺は、尾田さん一家の愛情と夢の味だ!
お昼しか営業しなくても、この味とお二人のお人柄とで、きっと末永く地元の皆さんに愛されるお店になるだろう。
尾田さん一家のご健康とこれからのご活躍を心から祈りながら、新大塚の地をあとにした。