中国湖南省米粉視察レポート(前編)~羽田→上海→張家界編~ | お役立ち情報 | 大成食品株式会社

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イベント、その他、中野本社 | 2011.06.18

中国湖南省米粉視察レポート(前編)~羽田→上海→張家界編~

中国湖南省米粉視察レポート(前編)~羽田→上海→張家界編~

今号および次号は、食べある記隊・鳥居隊長と新井@大成食品商品開発アシスタントマネージャーによる中国湖南省麺文化視察旅行のレポートをお送りします。

 

 

恒例の中国視察。今年のテーマは湖南省の米粉!

鳥居隊長が主宰する「東京ラーメンのれん会」の中国麺食事情視察。
今年は6月18日〜22日に開催された。
案内役は「中国全省の麺を食べた男」こと中国麺類文化研究家の坂本一敏先生。
毎年、日本のらーめん業界での商品開発に役立つ現地の麺食文化をご紹介くださっている。
近年のあえそばブームや雑穀麺、全粒粉麺人気の影にこの方あり…
と噂される(^^)先生が、今回テーマに設定したのは「湖南省の米粉」。


☆坂本一敏先生の著書
誰も知らない中国拉麺之路—日本ラーメンの源流を探る
      小学館101新書  2008/12/6発行 740円+税

山内「こ、湖南省?(^^;」
鳥居隊長「中国の真ん中あたり。長江中流域にある省だ。
面積は約21万平方キロメートルで日本の6割程度。人口は日本の約半分の6800万人。そのうち漢民族が9割を占めている。
経済発展著しいが、洞庭湖や長江に注ぐ川沿いの風景には歴史的情緒が今なお残る美しい地域だ。
世界遺産に登録されている武陵源は地殻変動によって隆起した巨大な岩が3000本以上も林立。幽玄な渓谷美はハリウッド映画『アバター』のハレルヤ山のモデルにもなったそうだよ(^^)
今回は、羽田から上海虹橋空港、上海浦東空港をへて、湖南省の張家界、鳳凰、省都である長沙を巡ったんだ」

☆湖南省
http://www.hunan.gov.cn/

山内「米の麺は…一昨年、雲南省を視察されましたよね?(@@)」
鳥居「『南粉北麺』といって、中国北方では麦の麺が、南方では米を使った米粉(ビーフン)が常食されている。坂本先生によれば雲南省は南粉の地域。雲南省の北東に位置する湖南省は小麦の麺も米粉も両方食べられている混合地帯だとか。
老舗の麺館(小麦の麺の専門店)にも米粉があるし、粉館(米粉の専門店)で小麦の麺も出している。注文のとき、スープ、具は共通で、麺か米粉かを選ぶんだ(^^)」

鳥居「今回は、湖南省で代表的な3種の米粉、長沙米粉、常徳米粉、洪江米粉を中心に視察してきたよ」
山内「この3種類って、ご当地らーめんならぬご当地ビーフン的な分類ですか?」
鳥居「そうだね。地域ごとに麺の形が違うし、製法が異なるものもある。
ごく一般的な、細くて平打ちのものを、坂本先生は長沙米粉と呼んでいたよ。このうち、特に細いものは粉(フェン)、やや太いものは寛粉(クアンフェン)または米麺(ミーミェン)。幅1センチをこえるような太いものを切粉(チェフェン)と呼ぶそうだ」
新井@大成食品商品開発アシスタントマネージャー「一方、麺が丸いのが常徳米粉。雲南省の過橋米線の技術をとりいれたため、細く丸い長い麺になったと先生から伺いました(^^)/
3つ目が、白くて丸くて極太で長い洪江米粉です。洪江では工場見学もしましたよ!」

初日は空港らーめんで大発見!?(^^)

鳥居「今回の視察団は8名。団長の坂本先生、製粉、製麺会社の経営者たち、(株)ラーメンデータバンク代表の大崎さん、福島鰹(株)の田渕君@鳥居式らーめん塾10期生、大成食品からは私と新井毅商品開発アシスタントマネージャーが参加したんだ(^^)。
実は、現地では6月中旬からの集中豪雨による土砂崩れや洪水の被害が続いていた。ようやく雨がおさまったから視察中止こそ免れたものの、土砂崩れで道が不通になっていたり、ルート変更があったり。日本の感覚ではとても道とはいえないような悪路を長時間走ったり…。正直、今回はハードだったな…(^m^;」
新井「初日の上海からして、国内線の飛行機が来ない、飛ばない、って2時間以上待ちました」
鳥居「日本みたいに遅延理由を教えてもくれないし…。待っている間、不安でしょうがなかったよ(^^;」

☆「日本一ラーメンを食べた男」大崎裕史さん経営の(株)ラーメンデータバンク
http://www.ramenbank.com/


ヒヤヒヤヤキモキしつつも待ち時間を「視察」にあてるあたり、さすが鳥居隊長!(^^)/"
まずは羽田空港内の某有名らーめん専門店へ。
本来は高濃度、麺は固めのらーめんを提供するお店なのに、出てきたらーめんは「想定外!」の味だったとか(@@;
新井「味が薄め、麺は柔らかめ、しかも熱くない…。日本のらーめんのグローバル化か、と衝撃を受けました(@@)b"」
鳥居「上海の浦東空港の味千ラーメンでも、麺は柔らかでスープはぬるかったよね。中国の人の好みにあわせてるんだろう」
熊本発の「味千ラーメン」は中国で人気ナンバーワンのラーメンチェーン。6月現在で、上海市内に126店、中国全土では570店もあるという。

鳥居「熱々のスープとか、麺のこしの強さにこだわるのは日本人ならではの感覚らしいよ。
ガイドさんによると、中国人は猫舌の人が多く、熱々は苦手。麺料理が目の前に出されてもすぐ手をつけない、つけられない。のびた麺でも平気だそうだ(^^)。
スープ濃度もかなり薄いしね」
山内「おそらく羽田空港のらーめん店も中国人観光客向けに味を変えていたんでしょうね(^^)」
新井「ちなみに、羽田空港のらーめんは800円。上海浦東空港の『味千拉麺』は22元でした。1元13円で計算すると286円です」
鳥居「以前は日本円で400円くらい、という感じだったのに、今回は約300円。だいぶ安くなっていたよ」
山内「上海でも食のデフレが進んでいるのかしら?(@@)」

深夜のホテル、早朝の屋台…長沙米粉、常徳米粉を視察(^Q^)


鳥居
「結局、到着時間が遅れに遅れて…湖南省の張家界のホテルで食事するころには、日付が変わっていた。
ここでやっと最初の米粉を食べることに(^^)/」

☆逸臣大酒店というホテルのレストランのコース料理で出た炒粉(焼きビーフン)。
坂本先生の分類では常徳米粉と呼ばれるタイプ。
日本の細うどんのように丸く、直径2ミリ程度とやや太め。プリプリしたこしがあり、焼きそばの蒸し麺にも似た食感。
戻した米粉を油、キャベツ、人参、ハムなどとともに炒めて塩で味付け。日本人好みのごくあっさりした味。

鳥居「塩味だけで、スパイシーでもなく、味のインパクトはもうひとつかな。盛りつけも素朴な感じだし」
新井「4つ星ホテルのレストランでフルコースが一人あたり1000円しないという安さには驚きました。量も多くて食べきれない!(@m@;)」
br> …と午前1時すぎまでフルコースを食べていた視察団。
なんと翌朝7時には隣接する屋台で視察を始めていた(^o^)
鳥居「屋台といっても、ホテルの隣の庶民的なレストランの店先だね。
庶民的な価格と味、テイクアウト用のカップもあって、早朝にも関わらずにぎわっていたよ(^^)」

メニューを見ると肉まん類は1元(13円)と庶民的な価格。
米粉(面)とあるのは米粉または小麦粉の麺を選べる、という意味。
「面」は麺の簡体字。麦へんがとれているが一般的には「小麦粉で作った麺」のこと。粉、麺とも常食する湖南省の食文化の特色がメニューからも伺える。

鳥居「店頭には乾燥した米粉が。バケツには戻したビーフンがどっさり。注文があるたび、ざるですくい、さっと湯がいて出していたよ(^^)」
 

☆米粉
大6元(1元=13円として78円、小は5元65円)
丸く細い常徳米粉。食感はかなり柔らかい。
スープは薄く、中国醤油と化学調味料的なもので味付けされていた。
具材は牛肉、キクラゲ、ネギを醤油系の味で煮含めたもの。
卓上には山椒油、黒酢、にんにくからし、山菜の辛い漬け物等が置かれていた。

新井「この後、朝食第二弾としてホテルのバイキングへ。長沙米粉を発見しました(^^)」

☆湯粉
スープビーフン。幅約1センチの平たいビーフンは長沙米粉の切粉(チエフェン)と分類できそう。ピロピロした食感だが柔らかすぎてスープの中で切れてしまい、すするのはかなり難しい。スープの味は醤油系清湯。

☆炒粉
上記と同じ切粉(チエフェン)を炒めたもの。中国醤油味。切れやすく、また麺がねばってダマになるせいか、あまり炒められた感じはなかった。

19日のランチは中国の著名人が訪れるという高級ホテルのレストランへ。
鳥居「湯粉を頼んだら、最初外国人向けのものが出てきたんだ」
新井「坂本先生が『地元の味で』と頼んで、作り直してもらったんですが…表面にどっさりラー油がかかってました(^^; 
黒酢を入れると食べやすい、ということでしたが…入れてもやっぱり辛ぁ〜(;Q;)」
鳥居「高温多湿な気候で、辛い味付けが好まれるんだろうね。辛みは唐辛子主体だったな。山椒はきかせていないから、日本人には食べやすいと思う」

☆常徳米粉の湯粉/地元バージョン
雲南風の白く丸い細い米粉。こしがなく淡白。
清湯系のさっぱりしたスープに唐辛子オイルとネギがどっさり、というのが地元風。外国人風の湯粉には辛いオイルはかかっていなかった。
好みで黒酢をかけると辛みが和らぐ。

☆川魚の頭の煮込み
夜、ホテルの宴会で出た川魚の頭の煮込みは湖南省の名物料理の一つとか。直径50センチ近い大皿にドンと巨大な魚の頭が。上に唐辛子がどっさりのっていた。
醤油で甘辛く、濃いめに煮込まれていておいしい。
魚を食べたところで冷たい米粉を投入、煮汁にからめて食べる。この米粉は丸く細い常徳米粉。
なお20日に昼食をとった吉首市のレストランでも同じ料理が出た。こちらでは、もどし水ごと常徳米粉を加え、煮汁の味を調整していた。

山内「これは鍋料理のしめにうどんやごはんを入れる感じですか?(^^;」
鳥居「どちらかといえば、中国の麺料理によくある、炒め物や煮込みなどのおかずを麺にのせるとか、あえるとかいう食べ方に近いような気がするよ。米粉を入れて再加熱はしないし」
山内「個人的には再加熱希望〜(^^)。魚の甘辛い煮汁を含んだ熱々ビーフン、すごくおいしそうなんだもの♪」

20日朝も屋台で米粉を。
老十字街干粉店。
前日よりメニュー豊富で、常徳米粉、長沙切粉、小麦の麺、水餃子やワンタン、饅頭、面条(中国風の揚げパン)なども揃っていた。
スープは6種類。好みのものを選んで具、米粉または麺を順に選んでいく。
新井「このお店ではトッピングの昆布が印象的でした。薄いぺらぺらした昆布は、日本の昆布巻きのように柔らかく炊かれていました。だしではなくあくまで具材として用いられている点がユニーク! ミネラル補給のために昆布を食べる先人の知恵らしいです(^^)b」

☆昆布入りの湯粉/長沙米粉
長沙米粉の切粉(チェフェン)。平打ちで幅約1センチ。柔らかで切れやすく、すすって食べるのは困難。スープは清湯系で唐辛子がきいている。具は醤油味。

<次号につづく>

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