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【M&A事例】民事再生企業の可能性 ~その2~

M&A事例

前回の続きです。前回は民事再生企業をM&Aする上で、そもそも民事再生のスキームとは何か?そして民事再生企業をM&Aするスポンサー企業の使命について、当社の考えを述べさせていただきました。今回は、タイトルにもなっている民事再生企業の可能性を当社がどのように見出しているのか、その過程はPMIシナリオを描く中であきらかになります。

「民事再生企業の可能性」

過去のコラム(【PMI至上主義】どの時点でPMIを考えるか?)でも触れましたが、民事再生企業であろうと最初から具体的なPMIシナリオを描いていることには変わりません。民事再生企業と言えども時間は流れており、その取引情報を随時把握しながら、改善すべき点、伸長するべき点、全方位の角度でリスト化していく作業をしていきます。このあたりはやはり過去のコラム(【PMIの進め方】プロジェクトマネジメント)( 【再生型M&A?】製麺業における再生型M&Aについて)にてその進め方/やり方の詳細を述べていますので改めて参照いただければと思います。

さてPMIシナリオを作ってみると、今回もたくさんの課題とTo Doがリストアップされました。「たくさん」です。この「たくさん」の課題とTo Doは決してネガティブなものではなく、再生へ向けた伸びしろと言えるので非常にポジティブなものです。しかし、このリストを従業員に突きつけると、ネガティブな反応しかりません。これはよくある事象なので、驚くことはないのですが、自身のこれまでやってきたことが否定されたような感情であったり、課題ばかりでその重圧からなのかあきらめの気持ちが先行してしまったり、そんなところに原因があります。

そこで冷静になってみるのです。人は比較でしてか自分の置かれた状況を正確に把握できない性質があります。『もし、課題がほとんどなかったとしたらどうでしょうか?』

これこそが、もっとも恐ろしい状況です。課題がほとんどない、改善するところがほとんどない、その状態で民事再生・・・、ポテンシャルを出し切ってその有様だとすると、手の施しようがありませんし、そもそもそのような会社であればスポンサー企業としては名乗り出ることはありませんでした。課題がたくさんあって、伸びしろがたくさんある、民事再生によって負債がない状態であれば、きちんと利益が出ているという事実がM&Aを実行する決め手になるのです。(つづく)

 

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