【経営の型】マネジメントメソッドと経営計画書というツール

当社がM&Aによる事業拡大という経営判断をしたのは2016年です。その後2018年に株式会社八幡製麺所、2023年に比留間製麺株式会社という同業種のM&Aを実現し、PMIを推進してきました。両社とも売上高については買収時よりも順調に拡大してきているところです。しかしながら、当社が何よりも先行して取り組むのは、売上拡大ではなく、組織体制の整備、社員教育、業務プロセスの標準化、仕組み化です。2社とも最初にしたのは理想とする組織図を描くことで、組織としての不足を補うための採用活動でした。増員は一時的な業績低下を招きますが、安心して業務を遂行できる環境がなければ継続した成長曲線は描けないと考えています。そして、これら初期段階のPMIを実行する上で、当社は「経営の型」をつくりあげてきました。
「マネジメントメソッドと経営計画書というツール」
マネジメントメソッドについては、固有名になりますが、組織マネジメントにおいて強みを持つ「識学」、そして成長マネジメントにおいて強みを持つ「鬼速PDCA」、この2つを採用しています。この2つを併用して組織成長マネジメントと命名し、幹部教育、組織運営を推進しているところです。中身については、明確な役割の定義、目標管理と評価制度の連動、週単位までブレイクダウンしたPDCA運用といったところでしょうか。
これらのマネジメントメソッドを導入したきっかけは、自己流でのマネジメント手法だと、M&Aで新たに迎え入れる会社において機能させるには、かなりの時間を要すると考えたからです。その点多くの実績を持つマネジメントメソッドであれば、成功の再現性という点で非常に優位性がある(あった)ということになります。手法には様々なものがあり、そこの優劣は各々が判断することですが、これといった型がないというのは「まずい状態」だと私は考えます。特にM&Aという事業を扱う場合においては苦しいと言わざるを得ません。
マネジメントの型を持つことで、組織運営における迷いのようなものはなくなったのですが、実際にPMIを進めていくと、実はもう1つの壁が立ちはだかりました。その壁とは「浸透」です。識学にしろ、鬼速PDCAにしろ、浸透度合いについては、とにかく繰り返し反復するというスタンスです。しかし、どれだけ繰り返しても私自身が納得できるスピード感での浸透が実現しませんでした。そこで登場したのが「経営計画書」というツールです。計画書という言葉を使用していますが、それは方針書であり、ルールブックであり、手順書であり、教科書となります。このツールを導入することで、マネジメントに限らず経営に関するほぼ全ての情報が1冊にまとまり、整理整頓された情報を社員に届けることが可能となりました。
PMIを効率的に実践する武器、経営の型があるということが当社の強みです。