【成長のカギ】組織マネジメントとは?
M&Aの目的はシナジー効果により、両社がそれまで以上に成長し充実することにあります。このこと自体はM&Aを事業承継および成長戦略として捉えていれば、誰もが同じように考えているのではないでしょうか。そのためにはお互いの会社の事業の強み/弱みを把握して、相互に補完/連携することを最初に検討していくことになります。一方で中小企業のスモールM&Aを検討していると、それとは別にマネジメントのベースがないことで、そもそもの企業成長が停滞しているように感じるところが多分にあります。2022年9月投稿では従業員の継承が成功のカギであり、従業員が成長する仕組みとして目標管理について触れさせていただきました。本稿では目標管理を軸にした組織マネジメントについて、その考え方をまとめてみました。
「マネジメントとは目標を設定して報告させること」
マネジメントとは何か?マネージャー(管理職)の仕事とは何か?いきなりそのような質問をされたとき、即座に回答できる経営者は意外と少ないように感じます。それだけマネジメントは多岐にわたり、複雑な様相を示しているのだと思います。インターネット検索で「マネジメントとは」で調べてみると、マネジメントの父と言われるほどの経営学者であるドラッガーの言葉がヒットしました。
彼は次のように述べています。
「マネージャーの仕事(役割)は、組織の目標を達成するための戦略や仕組みをつくり、計画を実行、管理すること」
非常にまとまった文章で正解のような気がします。しかし、この文章を読んで社内の管理職にマネジメントを任せても手順が示されていないため、おそらく何も進展しないだろうと感じます。
そこで内容を具体的な手順に置き換えることにしました。
「マネージャーの仕事は、経営目標(KGI)の達成につながる部門目標(KPI)を達成すべく、自身のチーム、メンバーに個人目標(KPI,KDI)を与えて、その結果を報告させること」
KGI:重要目標達成指標=最終目標
KPI:重要業績評価指標=中間目標
KDI:重要行動評価指標=行動目標(日々の具体的な活動を目標として定量化)
このようにまとめると、管理職のマネジメントは動き出します。
シンプルにまとめると「目標を設定して報告させること」になります。管理とは「報告すること、報告させること」という言葉に置き換えます。
マネジメントで使用するツールとして、目標、結果、達成/未達成の理由(原因)、次なる行動(達成するための改善)、この4つを記載するシンプルな報告書を用意しました。マネージャーはチームの目標(KGI)を達成するために、1つ2つ手前の目標(KPI)を考えて、メンバーに目標を与えます。メンバーは与えられた目標を達成するために、日々の行動を目標化します。そして最後にその結果を報告させることで、メンバーは目標達成のために自分で考える力を養い、マネージャーは目標をコントロールしてチームを成功に導くことになります。
目標管理という言葉には、ノルマというイメージが付きまといます。ノルマには必ず達成しなければならないとうニュアンスが含まれます。確かに達成しなければ会社が倒産するというレベルになればそういったニュアンスも必要になってきます。しかし、目標管理はそうなる前に、目標がノルマにならないように日常の中で存在しなければなりません。ノルマではなく、達成できないときもあれば、達成できるときもある、達成できない場合は達成できるように何をすればよいか考えて成長していく、それが組織マネジメント、成長のカギです。