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【M&A交渉】売る恐怖と買う恐怖の克服

M&A当社の考え

社会的課題となっている事業承継問題を解決する手段として、M&A(第三者承継)という言葉が一般的になりつつあります。しかし多くの当事者にとって「一般的ではない」のがM&Aとなります。どんなに世間が騒いでも自分自身にとっては非日常の出来事、それがM&Aです。

「M&Aには必要な恐怖と不必要な恐怖がある。」

M&Aにおいてどこに恐怖を感じるのか、おそらく売り手はあらゆる点で恐怖を感じるところだと思います。一方で買い手がもっとも気にするのは、譲渡後の事業運営にあります。譲渡価格に見合うシナジーを生み出せるのかどうか、そこがM&Aの成功可否であるわけでそこに恐怖するのは当然と言えば当然の結論と言えるでしょう。

お互いがお互いの恐怖を克服していく過程が交渉であり、この恐怖が克服できてはじめてM&Aは成立するのだと考えています。恐怖の克服という過程を経ないM&Aを敵対的買収と表現します。しかし非上場企業のM&Aにおいては、そのような手法は考えられません。したがって、恐怖の克服をどのようにしていくのか、当社は、不必要な恐怖は取り除き、必要な恐怖を克服していくというアプローチを取ります。

不必要な恐怖とは何を指すのでしょうか?そもそもなぜ人は恐怖を感じるのでしょうか?その源泉は生存本能です。生きるか死ぬかに関わるから恐怖するのです。そのような視点で考えると、売り手/買い手双方にとって成立しないことが即座に事業継続に影響を与えないという事実に気づかされます。それまでかけたコスト(労力)は無駄になるかもしれませんが、だからと言って事業継続に困るということはほぼありません。したがって、取引成立へ向けた価格交渉をはじめとした様々な条件交渉に恐怖を感じる必要はない、感じること自体が無意味だと考えるようにしています。無理やり説得するようなスタンスは取りませんし、交渉相手にも成立しないとどうなるのか、その事実を認識していただいて冷静に交渉を進めてほしいと願います。

一方で必要な恐怖があります。こちらは克服していかなければなりません。それは契約成立後の話です。契約が成立するとそこからは新体制で事業運営がはじまります。運営次第では、事業継続がままならなくなったり、望まない離職者を出したりします。そこには生き死にに通じる恐怖があるのです。この恐怖を克服するために、当社は交渉成立前の早い段階でPMIによって変わる部分、変わらない部分を精査し、売り手と共有することを強く推進していきます。売り手と買い手の恐怖を克服するには、変化する内容と、変化によって何が得られるのか、そもそも変化できるのか、これらのイメージを共有することが効果的だと考えています。

M&Aをすることで「変化が少ない」ということはあっても「変化がない」ことはありえません。そもそもM&Aでなくとも事業を継続していけば経営者の代替わりや従業員の入社退社もあるわけで「変化」は必ず訪れるもの、M&Aの変化だけ区別されるものではありません。

 

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